はじめに
当流派の考える武道としての空手道は、単に突く、蹴るという攻撃的なイメージに見られるもののみを目的とせず、人格の陶冶を主たる目的としています。空手道は、その目的を達成するための1つの手段です。武道を通し、物事全てに通用する考え方を養って頂きたいと思っております。
感謝の心
子が親に感謝し、人が人に感謝して生きていく姿こそ、本来の人間社会であると思います。
ありがとうの気持ちをたくさん持てる子どもが1人でも増えるよう指導しております。
ハングリー精神
ハングリー精神という言葉を耳にしなくなりました。生活が豊かになり好きなものをお腹が空く前に口にできる「我慢」のない生活をしているのも理由の1つだと思います。
欲しい物が楽に手に入り、空腹を感じない生活、兄弟数の減少により目や手を多くかけてもらえ、満たされている子どもに「我慢」は難しいと思います。
忍耐力は、教わるものではなく、経験によってのみ積み重なるものです。
欲しいものを労せず得られれば、喜びの度合いは小さくなります。強く願い、苦労を重ね、耐え、壁を乗り越え、やっとの思いで手にしたものは、何にも代え難い喜びと感動と成長を与えてくれます。
物事を強く求め、達成への強い意志を持って、事に当たる気持ちや心はとても重要な精神です。
武道で得られるものは、目に見えないものであり、他人から見て無価値と思えるものも多いかも知れません。自分にとって価値あるものを見出し、それを目指せるよう促しております。
心の在り方
人から言われた事をただ素直に聞くだけではなく、話をしっかりと聞き入れ、自分の意志と考えで自分なりに判断し行動できること。他者を理解し、尊重し、自ら行動できること。他人に迷惑をかけず、自分で責任がとれること。言われてから行動に移すのではなく、当たり前の事を当たり前に、自分から出来るような子どもに育って頂きたいと常に思い、自主性と社会性の両方が育つよう指導しております。
人のせいにする、言い訳をする、文句を言う…心の成長と共になくなります。武道の第一の目的は、己の心に打ち克つことであり、人より強くなることではありません。本当の強さは、優しさを生みます。心を穏やかな水面に例える事がありますが、小石1つで波が立つ心には強さも優しさもありません。心は水面に浮かぶ笹舟のようであれば良いと思っております。
習い事ではなく
空手道を「習うもの」とお考えでしたら「学ぶもの」と改めて下さい。何事においても習ったものは身に付くのではなく、覚えたものであり、いつしか忘れてしまうものです。
学ぶものは、自ら気付き、自分が望んで動くからこそ身に染みつくものです。集中力が1分と続かない子どもにとって、それは大変難しいもので、時間のかかるものです。
しかし、『難しいこと』は『不可能なこと』ではありません。だからこそ、自ら身に付けたものは大変尊いものであり、意味のあるものだと思います。
自主性
入門した際には、お子さんが自らの意志と足で通っていることを自覚させたいと思っていますので、「行きなさい」、「早くしなさい」等の言葉を控えて頂ければ幸いです。逆に「行かなくていい」、「辞めていい」等は遠慮なく言って頂いて結構です。自主性というものは、本人の意志以外には、身につける術はありません。「行きたくない」というのであれば、お休みして頂いて結構です。
すべての子ども達は、それぞれに芽やつぼみを幾つも持っています。どんな色のどんな花が咲くのか。空手道は、子ども達の太陽や水、肥料にはなれますが、吸収するかどうかは、子ども自身の力と意識です。
私は、その子が自分で花を咲かせ、実を結んでいく手伝いをするに過ぎません。子ども達一人ひとりが自ら成長していくのを精一杯 助長し、見守り、見極めていきたいと思っております。
幼児から一般の方まで楽しく励んでおります。
老若男女、経験等一切関係ありません。
武道を始めるのに「遅すぎ」も「早すぎ」もありません。
Q&A
Q1:稽古中は、保護者がいなければならないのでしょうか?
いいえ。送り迎えだけで結構です。小さいお子さんの場合には、はじめのうちは寂しがるかも知れませんので、中で稽古をご覧になりながらお待ちになっていて結構です。慣れてきましたら、保護者のいない普段の生活とは違う、新しい自分だけの世界を持った自覚を持たせる為にも一度お帰りになって頂ければと思います。(勿論ずっとご覧になっていても一緒に稽古されても結構です。)
お迎えの際は、外で待たずに中に入られて結構です。稽古終了時に色々と伝えたいことがありますので、ご一緒に聞いていて下されば幸いです。
Q2:クラス分けをしていますが、親子で稽古はできますか?
はい。大歓迎です。ご一緒に稽古されて同じ道を進む楽しさを味わってみて下さい。
ただし、原則としてお子さんのクラスへの参加を優先させて下さい。小学生が一般クラスに参加しても構いませんが、他の練習生への少しの配慮をお願いいたします。
※尾久道場以外は、クラス分けはありません。子どもから大人まで一緒に稽古します。家族、親子での会話が増えたというお話もよく耳にします。親子で共通の話題を持てるのも魅力の1つです。
Q3:初心者でも大丈夫でしょうか?/私は、50歳を越えていますし、今まで何もスポーツをやったことがありませんが、大丈夫でしょうか?
大丈夫です。(年齢が高い方でも)ほとんどが未経験者です。稽古の内容も個人の体力、ペースに合わせて練習ができますので、心配はいりません。
個人個人「自分の空手道」という道を探して頂き、それぞれの武道を歩んで下さい。
Q4:小学生でも組手がやりたいのですが?
希望があり、基本動作が出来るようになり、かつ、精神的な面で組手稽古に参加しても良いと判断し、保護者の認可を頂いた場合のみ、稽古参加を認めています。
元々性格の優しい子が「やりたい」と言うのであれば、それは、その子なりに決意や考えがあってのことだと思います。元気な性格の子の場合、組手は比較的楽しい稽古に感じ取れます。「ふざける」ようであれば、色々な意味でのケガにつながりますので、基本が出来ていても組手の稽古への参加は認めません。人を傷つけることが目的ではありませんのでご理解下さい。
※小学生の組手は、安全性を第一に考えておりますので、上下段への攻撃は禁止しています。
※試合では流派指定のグローブ、スネ当て、ヘッドガード(面)、ボディプロテクター(胴)の着用が義務づけられております。
衛生面等々の理由から、防具の貸出はしておりません。
Q5:どういった指導をしているのでしょうか?
画一的な厳しい指導、優しい指導は致しません。厳しい指導は、一見『武道らしい指導』に見え、優しい指導は、『伸び伸びと楽しそう』に見えますし、非常に簡単です。ですが、そうした指導では、枠にあてはめる指導、子ども主体と言うだけの放任になり兼ねませんし、人を見て態度を変えたり、自らの気付きや動機付けにつながらない場合もあります。(勿論ご要望により個々に厳しさ、優しさは加減致します。)
年齢・体力・やる気・性格・既往症等々、個々に応じた指導をしています。自主性を重んじ、1から10まですべてを教えることはしません。全てを教えても、それで本当に身に付くとは思えないからです。要点のみを指導し、本人が自ら学びたいと思った時にわずかにヒントを与えます。残りは、自ら答えを導く様にしています。そうして自ら考え、努力し、答えを出すことで本当の武道の精神が身に付くものだと思っています。現実、小・中学生、まして、それ以下の子どもたちにそれを求めるのは、難しいことです。ですから、時間がかかります。時間がかかるからこそ身に付くものも大きく、素晴らしいものになります。もどかしく感じる部分もあるかと思いますが、長い目で見守って頂ければ幸いです。
Q6:子どもに関して悩み・相談があるのですが…
吉川は、幼稚園教諭免許、保育士資格、子育て支援専門員、手話検定、サービス介助士、幼児体育指導者等の資格・免許を持っています。
ADHDや自閉傾向等に関わる相談事でもお受けいたします。
お話しいただいた内容は、指導に関わらない第三者へ話すことは、決してございません。
ただし、礼儀・作法・忍耐・努力等々の指導は、少しずつ進めていきますが、「躾」は親の役目ですので、相談事でしたらお受けいたしますが、躾そのものを空手道に求めないよう、ご注意とご理解をいただきたいと思っております。
見学・体験 随時
問い合わせは、特に必要ありません。動きやすい服装でお気軽におこし下さい。
経験不問。皆さん初心者です。
体育館での稽古は、学校行事、選挙などにより、休みになることがあります。
予定表でご確認ください。